論文

2017年8月

徳島県における口腔がん検診の現況

日本歯科人間ドック学会誌
  • 工藤 景子
  • ,
  • 鎌田 久美子
  • ,
  • 高丸 菜都美
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  • 山村 佳子
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  • 大江 剛
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  • 工藤 隆治
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  • 高橋 章
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  • 玉谷 哲也
  • ,
  • 藤澤 健司
  • ,
  • 宮本 洋二

12
1
開始ページ
21
終了ページ
25
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(一社)ジャパンオーラルヘルス学会

当科では、徳島県歯科医師会、阿南市歯科医師会および徳島市歯科医師会と協力し、歯科医師会主催のイベントと併せて任意型の口腔がん検診を行ってきたので、その活動内容を報告する。2010年1月〜2016年6月の6年6ヵ月間に21回の口腔がん検診を実施した。検診業務ならびに集計は当科が担当した。期間中の総受診者は712名(男性223名、女性489名)であり、平均年齢は56.3歳であった。246名(34.6%)に舌炎や歯肉炎などの軟組織の異常を認めた。そのうち、12名(1.7%)に白板症、1名(0.14%)に舌がんを認め、専門医への受診を勧めた。前がん病変と口腔がんを合わせた検出率は1.83%(13名/712名)であった。この検出率と性別、年齢には有意差はなかった。しかし、喫煙者における検出率は非喫煙者の約8倍、飲酒者における検出率は非飲酒者の約3.6倍であり、ともに有意差を認め、喫煙や飲酒習慣が前がん病変や口腔がんのハイリスク群になることが示唆された。今後、より多くの受診者に対して継続的な検診活動を行うためには、行政主導の口腔がん検診が必要と考える。また、喫煙・飲酒習慣のあるハイリスク群の受診率向上を目指すことが今後の課題である。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 1345-9910
  • 医中誌Web ID : 2017403222

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