2017年6月 - 2021年3月
聴感覚細胞の自律的な周波数特性の実現機構の解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽) 挑戦的研究(萌芽)
多くの動物は、自身への脅威となる外敵の接近時や、同種他個体である配偶者候補やその競合相手とかわすコミュニケーションの際などに、音を用いて周囲の状況を知覚し、それにより、自身の生存や生殖につなげる。本研究は、このような音の認識の最初の段階である、音の高さの弁別を担うメカニズムに着目する。特に、聴感覚細胞の「電気的チューニング」の分子機構を、キイロショウジョウバエをモデルにして解明することを目的とする。
前年度までに、ショウジョウバエにおいてBKチャネルをコードするslowpoke遺伝子に着目し、聴感覚細胞の「電気的チューニング」への関連を調べてきた。その結果、slowpoke自体の聴覚行動への影響は確認できなかったが、その関連因子において、聴覚行動発現への関与を検出できた。しかしその検証実験の過程で、現状で利用している聴覚行動実験系の感度が低い、という問題点が明らかになった。そこで今年度は、これまで利用していたオス個体を用いた行動実験系に加えて、最近確立した、メス個体を用いた聴覚行動実験系も用いた解析に着手した。未交尾のメスに対して人工音を与えた際の、オス受け入れ活性の上昇率を解析する、という方法を検討し、メス個体を用いた聴覚行動実験系の最適条件を決定した。
また、聴感覚細胞の解剖学的特性を把握するため、ショウジョウバエ聴覚器を構成する、機能的に異なる5種類の感覚細胞の組み合わせパターンを調査した。その結果、異なる機能特性を持つ2種類の感覚細胞がペアになって、聴覚器内部の感覚子に格納されていることが判明した。
前年度までに、ショウジョウバエにおいてBKチャネルをコードするslowpoke遺伝子に着目し、聴感覚細胞の「電気的チューニング」への関連を調べてきた。その結果、slowpoke自体の聴覚行動への影響は確認できなかったが、その関連因子において、聴覚行動発現への関与を検出できた。しかしその検証実験の過程で、現状で利用している聴覚行動実験系の感度が低い、という問題点が明らかになった。そこで今年度は、これまで利用していたオス個体を用いた行動実験系に加えて、最近確立した、メス個体を用いた聴覚行動実験系も用いた解析に着手した。未交尾のメスに対して人工音を与えた際の、オス受け入れ活性の上昇率を解析する、という方法を検討し、メス個体を用いた聴覚行動実験系の最適条件を決定した。
また、聴感覚細胞の解剖学的特性を把握するため、ショウジョウバエ聴覚器を構成する、機能的に異なる5種類の感覚細胞の組み合わせパターンを調査した。その結果、異なる機能特性を持つ2種類の感覚細胞がペアになって、聴覚器内部の感覚子に格納されていることが判明した。
- ID情報
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- 課題番号 : 17K19450
- 体系的課題番号 : JP17K19450