共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年11月 - 2023年3月

ヒトスジシマカの聴覚コミュニケーションを制御する概日リズムの機構解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特別研究員奨励費  特別研究員奨励費

課題番号
20F20386
体系的課題番号
JP20F20386
配分額
(総額)
2,300,000円
(直接経費)
2,300,000円
(間接経費)
0円

蚊は吸血することで感染症を媒介し、多くの人を死に至らしめる。蚊の吸血は、交尾後のメスが産卵のための栄養源を得る行動である。よって、蚊の被害を防ぐ方策の一つとして、配偶行動への介入が考えられる。本研究では、世界各地でデング熱やジカ熱を媒介するヤブ蚊類2種(ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ)を対象に、聴覚を介した配偶行動の原理とその神経基盤を理解し、繁殖制御への新たな道を探ることを目的とする。
前年度までに、研究室内でオスの聴覚を介した配偶行動を解析できる実験系を立ち上げた。そこで当該年度では、様々な温度域において音源への接近飛行行動を測定した。18度から28度までの温度域で行動を解析できる実験系を整備して順次測定を行い、温度と接近飛行行動との関係性を見出すことに成功した。
上記の解析結果から、聴覚器の感度が、温度変化に対応している可能性が提案された。そこで、蚊の聴覚器の振動を計測することが可能なレーザードップラー振動計を用いて、様々な温度域における聴覚器振動の特性を解析した。その結果、温度変化による接近飛行行動の変化と良い相関を示す、聴覚器振動の温度に依存した特性変化を検出した。
さらに、脳から聴覚器への遠心性神経投射による制御の可能性を追求した。オスとメスの聴覚器からRNAを抽出し、遠心性神経投射に関わる可能性がある神経修飾物質の受容体の、聴覚器での発現を解析した。その結果、複数の受容体遺伝子が聴覚器で発現することを見出した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20F20386
ID情報
  • 課題番号 : 20F20386
  • 体系的課題番号 : JP20F20386