共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

人口減少期の大都市地域における空き家予防対策に資する地理学的研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(C)

課題番号
20K01183
体系的課題番号
JP20K01183
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

前年度から準備してきた戸建住宅団地の空き家実態調査について、広島県廿日市市と東広島市、茨城県竜ケ崎市においてアンケート調査を実施した。廿日市市では販売事務所を設置した大手不動産会社の取り組みもあり、既存住宅流通が活発に行われ空き家化を未然に防ぐ効果が把握された。一方、東広島市では県公社が開発後に拠点を撤退させ、事業者による流通活動が希薄となった結果、空き家の増加が目立つ状況が把握された。竜ケ崎市では、開発時期の異なる新旧2つの住宅団地を対象に調査を実施。駐車場の設置台数や建築協定の有無、子世帯による親の住宅のメンテナンスの有無などで、空き家化の進展に差異が生じる点を明らかにした。
上記3地区の調査結果を踏まえ、次年度に実施する東京都及び大阪府、福岡県内の実態調査地区については、空き家防止につながる対策や事業、住民意識の把握がより可能となるよう、住み替え・相続に備えた相談業務や見守り事業、既存住宅流通の促進等について、調査項目の見直しを行った。
また、ジオデモグラフィックデータを用いた空き家に関するGIS分析に関しては、今後の高齢者人口の増大が予測される東京・大阪・広島・福岡の4都市圏を対象に、国勢調査の小地域集計単位に基づく将来空き家数の推定を行った。具体的には2015年から2045年にかけた空き家の増加率を推計し、郊外の空き家率は高くなる点や東京・福岡都市圏は低く大阪のインナーエリアや広島都市圏は高いといった特徴を把握した。加えてExperian Mosaic Japanのジオデモグラフィクスデータを用いて、郊外の中高年層が卓越するエリアでは現況の空き家率が低いにも関わらず高齢化により将来の空き家率が高くなる傾向を明らかにし、地区内外の住み替え需要の喚起等の対策が必要との課題提起を行った。当該内容は、令和4年3月の日本地理学会春季大会にて発表を行った。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K01183
ID情報
  • 課題番号 : 20K01183
  • 体系的課題番号 : JP20K01183

この研究課題の成果一覧

論文

  1

講演・口頭発表等

  2