2016年
地表流の数値解析技術に関する研究グループ 活動報告
水文・水資源学会研究発表会要旨集
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- 巻
- 29
- 号
- 0
- 開始ページ
- 33
- 終了ページ
- 33
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.11520/jshwr.29.0_33
- 出版者・発行元
- 水文・水資源学会
水文・水資源学に関連するあらゆる学術分野において,河道や湖沼,水路内などに生じる地表水流れの計算を研究手法として利用する,あるいは数値解析法そのものを対象とする研究が数多く行われている.例えば,自由水面を有し,流れが1次元あるいは水平2次元の方向に卓越した地表流の非定常な動態に対しては,水位・流量の時空間的な変動を記述する浅水流方程式,またはその簡略化された微分方程式系が採用されることが多いが,その非線形性や計算の発散しやすさといった技術的な困難を克服するため,研究分野ごとに多様なアプローチがなされている.すなわち,計算の対象とする基礎方程式は同じでも,離散化や数値積分の手法は研究分野ごとに異なり,要求される精度や計算コスト,工夫や注意点も多岐にわたると考えられる.本研究グループは,地表流を対象とした数値解析手法に精通し,その開発や活用に携わる若手研究者,建設コンサルト業務経験者,学生等がさまざまな研究分野(河川工学,森林水文学,砂防工学,農業土木,グローバル水文学,環境水理学)から集まり,各分野で多く用いられる数値解析の技術,計算上の工夫,学術論文には載ることの無い失敗談などの貴重な情報をメンバー間で共有し,その内容に関する報文を学会誌へ投稿することや,新たな共同研究への糸口の探索を目指すものとして設立された.<br> これまでに計2回の勉強会を開催し,各メンバーの研究内容の紹介および情報交換,各分野での地表流数値計算の技術開発の動向や最先端,常識とされている事項,未解決問題などの情報共有を行った.本研究グループの設立および活動により得られた大きな成果の一つは,異分野間の若手研究者の人的ネットワークの形成であろう.参画メンバーは,地表の水の流れまたはそれに付随して生じる物質輸送現象を対象とした数値解析に携わる点では共通しているものの,取り扱う現象の生じる場所や内容,スケールが大きく異なり,主に活動している学会もさまざまであるため,今回の勉強会の開催で初めて顔を合わせたメンバーも多かった.分野横断型の共同研究の糸口が見えてきたことも貴重な成果であるといえる.これまでの勉強会での議論を基に,各分野の地表流計算の数理モデルや数値解析技術の特徴,求められる要件,取り入れられている工夫や注意すべき点,研究の最前線や未解決問題などを俯瞰的にとりまとめ,学会誌への投稿を予定している.<br>
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.11520/jshwr.29.0_33
- CiNii Articles ID : 130005176052
- identifiers.cinii_nr_id : 9000345211201