2021年12月
阪神・淡路大震災の被災経験がある人として生きることの意味 学童後期に被災後医療的介入を受けなかった人々を対象として
日本看護科学会誌
- ,
- 巻
- 41
- 号
- 開始ページ
- 494
- 終了ページ
- 502
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (公社)日本看護科学学会
目的:本研究は,学童後期に阪神・淡路大震災で被災した後,震災に関連したことで医療的介入を受けてこなかった人々の多様な人生の理解を通して,被災経験がある人として生きていく上での長期的経験とその意味を明らかにすることを目的とした.方法:2017年6月〜2018年9月に4名の参加者に4回ずつインタビューを行い,テーマ分析によって参加者の経験に共通するテーマを生成した.結果:被災経験がある人として生きることの意味は<心身ともに安心安全な居場所の追求><生死に関する価値観の醸成><社会との調和のために語られない被災経験><真剣な聞き手と共に被災経験に向き合う><他者の経験の理解志向>の5つのコアテーマから構成された.結論:被災児童たちが自分らしくいられる居場所の確保などの災害直後の支援が震災の前向きな意味づけに寄与すること,および,いまだ被災経験を語らず心理的回復が達成されていない人々への中長期的看護支援の必要性が示唆された.(著者抄録)
- ID情報
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- ISSN : 0287-5330
- eISSN : 2185-8888
- 医中誌Web ID : 2022189733