論文

査読有り
2020年3月

介護老人保健施設の認知症入所者への選択的支援ケアモデルの有効性

高齢者虐待防止研究
  • 中谷こずえ
  • ,
  • 臼井キミカ
  • ,
  • 兼田美代
  • ,
  • 小嶌健仁

16
1
開始ページ
38
終了ページ
54
記述言語
日本語
掲載種別
研究論文(学術雑誌)

目的:認知症をかかえる入所者が日常生活のなかで自分らしさを表現できる選択的支援ケアモデルを開発し、その有効性を入所者とケア提供者による主観的・客観的指標を用いて検証することである。方法:ケア提供者が、入所者に入浴の時間や入浴時の支援者の選択、おやつの選択、衣類を選ぶなどの選択的支援ケアを行う準実験研究である。研究参加者は、入所者21名、ケア提供者26名である。期間は、基礎水準期4週間、介入期8週間、フォローアップ期3週間からなる準実験計画である。指尖脈波の3種類は、2週間ごとに計5回収集した。結果:9割の入所者は、認知度が維持もしくは改善していた。ケア提供者は、介入の前後の対応のあるWilcoxonの符号付き順位検定において、ケア実施頻度、JCQ-B(職業性ストレスの身体状態)、JCQ-D(職業性ストレスの仕事満足度)、生きがい意識が有意に上昇した。考察:選択的支援ケアは、入所者にとって認知度維持改善を見込めるケアであり、ケア提供者では、ケアの実施頻度が上昇するのみではなく、生きがい意識や職業性ストレスに関連し自律神経の安定にも関与するケアである。結論:日常生活における選択的支援ケアは、両者にとって有効性のあるケアである。(著者抄録)

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