共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2026年3月

三次元デジタル・アーカイブを活用した鋳造実験からみた青銅器製作技術の総合的研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
21H00606
体系的課題番号
JP21H00606
配分額
(総額)
17,160,000円
(直接経費)
13,200,000円
(間接経費)
3,960,000円

研究目的は、鋳造実験と実物観察を並行し、銅鏡や銅鐸の製作技術の解明を進め、弥生時代から古墳時代にかけての青銅器の製作技術系譜の連続性を評価し、歴史的な解釈につなげることにある。2000年以降、蓄積した三次元デジタル・アーカイブを活用して青銅器製作モデル(鋳型の素材・構造を含めた鋳造工程の復元)を構築し、製作モデルに従って鋳造実験を行い、そこに三次元計測技術を導入して実験過程の収縮変形を記録し、原鏡にみられた諸現象の再現性から製作モデルの検証を行う。
今年度は、新型コロナ感染症予防対応の必要性から、外部での活動に障害があったため、研究環境の整備を前倒しして進め、解析用PC、三次元計測器計測レンズの購入、ソフトウェアの更新を行った。
外部での計測調査の代わりに橿原考古学研究所内の資料の調査を進め、桜井茶臼山古墳銅鏡片などの計測とデータ解析を進めた。並行して、来年度以降にむけて福岡県九州歴史資料館、宗像大社などにおいて調査の打ち合わせを行った。
継続研究として、第87回日本考古学協会総会でのポスターセッション「三角縁神獣鏡『同笵鏡』断面の差異の基礎的研究(2)」をオンラインで行った。黒塚16・18号鏡等の三角縁神獣鏡「同笵鏡」の鏡面側を含めた精密な断面図の比較を行った。中央付近の厚さが1㎜前後にもかかわらず、鏡面側曲面が近似することから、鏡面側鋳型についても同笵である可能性を指摘し、外区付近の厚さに差が大きくなる部分については研磨量の差と解釈した。これを受けて、今後の発表に向けて他の「同笵鏡」でも検証を進めた。
実験については、同型技法による鏡径収縮の再現を目的に、科研会議で実験条件の検討を行い、鋳型乾燥時の収縮を妨げないことに重点を置き、砂を敷いた上で鋳型の乾燥実験を行った。製作直後と時間をおいての三次元計測を行い、鋳型の収縮の検証を進めた。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21H00606
ID情報
  • 課題番号 : 21H00606
  • 体系的課題番号 : JP21H00606

この研究課題の成果一覧

論文

  1

MISC

  3

講演・口頭発表等

  5