共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2024年3月

船原古墳からみた古墳副葬有機物製品の立体的復元研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
20H01366
体系的課題番号
JP20H01366
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
16,770,000円
(直接経費)
12,900,000円
(間接経費)
3,870,000円

本年度は3年目であり、引き続き研究資源の整備を行った。まず、船原古墳出土遺物に付着する有機物の実体顕微鏡やデジタルマイクロスコープによる拡大観察を行い、写真撮影により記録した。対象は馬具36点、鉄製冑1点、小札甲50塊である。
この成果から、現状で付着する有機物は、繊維、革、木材、漆に分類された。このうち馬具に付着する繊維のなかに、織密度が異なる複数種類の平織が重層していることを確認し、埋納にあたって、複数枚の織物を織り重ねて使用していることがうかがえた。漆については、付着状態の拡大観察から、埋納された遺物に伴うものではなく、漆を使用した別の製品であることを推測できた。
また、金銅製歩揺付飾金具の構造技法解析を行い、これまで撮像したX線CTデータを整理し、新たに蛍光X線分析法による材質分析を悉皆的に行った。その結果、構造については基礎的な構造を明らかにし、材質については、すべての部位で銅に金アマルガム法で鍍金されていることがわかり、共通した材料により製作されていることを確認した。この成果については、日本文化財科学会第39回大会(於:千葉大学)において、研究発表を行った。
そのほか、関連遺物の調査として、熊本博物館、宮崎県立西都原考古博物館、壱岐市立壱岐国博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館、奈良県立橿原考古学研究所付属博物館、奈良文化財研究所飛鳥資料館、橿原市博物館を訪問し、関連遺物の実見、発掘調査報告書、関連論文等の文献収集、研究成果の公開方法に関する情報収集および来年度の調査に関する協議を行った。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20H01366
ID情報
  • 課題番号 : 20H01366
  • 体系的課題番号 : JP20H01366

この研究課題の成果一覧

論文

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講演・口頭発表等

  1