2011年
鼠径リンパ節転移を認めた外陰部基底細胞癌の1例
日本形成外科学会会誌
- ,
- ,
- ,
- 巻
- 31
- 号
- 4
- 開始ページ
- 252
- 終了ページ
- 256
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (一社)日本形成外科学会
症例は63歳男性で、陰茎基部に糜爛を生じ、放置していたが徐々に増大し、疼痛、潰瘍を形成したため受診した。陰茎基部左側に4.5×5.2cmの潰瘍を伴う隆起性病変を認めた。また、病変より5cm離れた左鼠径部皮下に弾性硬で皮膚との可動性を認める2cmの腫瘤を触知した。陰茎基部腫瘍を生検したところ、基底細胞癌の診断であった。造影CTで左鼠径部皮下腫瘍は類円形、内部不均一で造影効果を軽度受け、皮膚及び陰経基部腫瘍との連続性を認めなかったため、外陰部基底細胞癌のリンパ節転移を疑った。陰茎基部腫瘍は辺縁から1cm離し脂肪層で切除し、単純縫縮で閉創した。同時に左鼠径部皮下腫瘍摘出術を行った。初回手術より19日後に腫瘍摘出後の瘢痕を含め、左鼠径リンパ節郭清術を施行した。所見より充実型の基底細胞癌と診断した。鼠径部皮下腫瘍の摘出標本ではリンパ組織の構造を持たない類円形の結合組織内に表皮基底細胞様細胞が増殖し、腫瘍塊を形成していた。経過観察中であるが再発は認めていない。
- ID情報
-
- ISSN : 0389-4703
- 医中誌Web ID : 2012046481