2019年1月4日
軽度難聴者が抱える困難に関する健聴者の認識 -健聴者の経験及び視点取得に注目して-
三重大学教育学部研究紀要 自然科学・人文科学・社会科学・教育科学・教育実践 = Bulletin of the Faculty of Education, Mie University. Natural Science, Humanities, Social Science, Education, Educational Practice
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- 巻
- 70
- 号
- 70
- 開始ページ
- 175
- 終了ページ
- 185
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 出版者・発行元
- 三重大学教育学部
本研究では、軽度難聴者が抱える困難に関する健聴者の認識を調べるため、健聴者に対して、音声コミュニケーションを行う軽度難聴者を想定した音声を提示し、その軽度難聴者が日常生活の中でどの程度困難を抱えていると思うかを尋ねた。また、こうした健聴者の認識が、健聴者の難聴・難聴者に関する学習経験、難聴者との接触経験、相手の立場に立って考えようとする姿勢(視点取得)と関係するかどうかを検討した。本研究の結果、健聴者の多くが、音声コミュニケーションを行う軽度難聴者は困難を抱えていないと認識することが示された。さらに、学習経験がない者、視点取得が低い者は、そうでない者よりも軽度難聴者が困難を抱えていないと考える傾向が強かった。本研究により、軽度難聴者が抱える困難を健聴者が見過ごすということを示唆する実証的な知見が得られたことに加えて、こうした健聴者の認識に関与する要因として学習経験と視点取得が明らかになった。
- リンク情報
- ID情報
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- CiNii Articles ID : 120006775140