共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年10月 - 2026年3月

薬剤耐性菌に挑む、低温大気圧プラズマによる細菌不活化作用機序の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))  国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))

課題番号
20KK0089
体系的課題番号
JP20KK0089
担当区分
研究分担者
配分額
(総額)
18,590,000円
(直接経費)
14,300,000円
(間接経費)
4,290,000円

抗微生物薬剤に対する耐性を身につけた細菌への対策が世界的な急務となっている現在、従来型抗生物質に代わる手段として低温大気圧プラズマ放電現象が注目されている。本研究は、低温大気圧プラズマの細菌不活化(死滅・感染性を失わせる)効果の作用機序を解明することを目的とした国際共同研究を行う。特に、低温大気圧プラズマの様々な作用変数を制御することで細菌群に対して非特異的な効果を与えつつ、細菌細胞内のDNA・蛋白質の分子生物学的変化および細菌細胞群の細胞生物学的変化(非耐性菌あるいは耐性菌の死滅や出現の挙動)についての定量的な知見を得る。ここでは、特にバイオフィルム状細菌群不活性化実験および細胞群挙動シミュレーションを相補的に用いた研究推進を行う。
令和3年度は、(1)単一細胞内の生理化学反応をモデル化し活性酸素種が細胞死を誘導する機構の解明を目的とした数値シミュレーションを行った。ここでは特に、外因性刺激が細胞内に取り込まれるプロセス・通常のミトコンドリア機能が阻害されるプロセス・ミトコンドリアからサイトプラズマへとシトクロムCが放出されるプロセス・シトクロムC放出カスケードに従いシステインプロテアーゼ(カスパーゼ 3, 8, 9 系列)が活性化されるプロセスに注目し、プラズマ由来の活性酸素種が細胞死(アポトーシス)を誘導するシグナル伝達経路を明らかにした。また、(2)昨年度までに開発したグラフ理論に基づくネットワーク解析手法により、特に大気飽和水および生理的食塩水の液相化学反応システムの詳細な検討を行った。これにより、低温プラズマと生体ターゲットを繋ぐ知見を得た。
これらの成果に基づき、原著学術論文 1編、国際会議招待講演 1件、国際会議講演 4件、国内会議招待講演 1件、国内会議講演 8件の業績を得た。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20KK0089
ID情報
  • 課題番号 : 20KK0089
  • 体系的課題番号 : JP20KK0089

この研究課題の成果一覧

論文

  6

講演・口頭発表等

  50