地域在住女性高齢者の健康関連quality of life(HQOL)に関連する因子について検討した。MMSE 21点以上の認知機能を有する65歳以上の地域在住女性高齢者32例(平均75.0±4.3歳)を対象とした。身体的サマリースコア(PCS)と相関が見られた因子は、疾患数、Falls Efficacy Scale(FES)、Geriatric Depression Scale(GDS)、10m最大歩行速度であった。精神的サマリースコア(MCS)と相関が見られた因子は過去の職業、FES、GDS、社会的交流の友人の有無及び趣味の有無であった。因子間で多重共線性の見られた項目はなかった。PCS・MCSと相関が見られた項目を説明変数として重回帰分析で検討し、PCSに最も強く影響を与えている因子はGDS、その次にFESが選択された。MCSに最も強く影響を与えている因子はFESで、その次にGDSが選択された。なお、重回帰式の当てはまりは双方ともに有意であった。