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2020年8月 - 現在

「百点をつけるテスト」の大学授業での実践報告


守 (2019ab)で「百点をつけるテスト」をするべきであるという主張をした。 この主張を、新型コロナウィルス感染症対策のためにオンライン授業となった 2020 年度前期の「教育心理学」(教育学部 2 年生必修:履修登録者 92 名)で自ら実践し てみた。オンラインでの課題提出では、不十分な解答を学生に何度でも修正させる ことができるという利点がある。そこで、この利点を活かして、すべての学生が「百 点」になるまで、何度でも挑戦できるような記述式テストを実施した。最終試験は 成績提出までの時間的制約があって「何度でも再挑戦させる」ことは難しいため、 「中間テスト」をこの実践の対象とした。テスト問題は授業で取り扱った 10 の用語 について「数行程度で記述説明する」ことを求めるものとした。問題用紙を配布し、 自宅で「何をみても良いので解答を記入して提出する」よう指示し、約1週間の解 答期間を与えた。数回のやりとりで「全員が百点になる」と期待したが、10 回以上 の修正後でも、最終的に「百点」を取れた学生は 91 名中 79 名に留まった。また、 採点する教員の負担が過重になるという問題点もわかった。