2015年
気管支喘息の心身相関 : 基礎研究からの知見(「呼吸器心身症」の再興をめざして-最新の知見-,2014年,第55回日本心身医学会総会ならびに学術講演会(千葉))
心身医学
- 巻
- 55
- 号
- 8
- 開始ページ
- 936
- 終了ページ
- 941
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.15064/jjpm.55.8_936
- 出版者・発行元
- 一般社団法人 日本心身医学会
基礎研究の進歩によって気管支喘息の心身相関やその病態メカニズムが明らかになってきている.そこで,本稿では,疫学調査,動物実験および脳イメージング研究などの基礎研究の知見の一部を概説する.疫学調査では,気管支喘息患者にうつ病や不安障害の合併が多いことが報告されている.また,動物実験では,私たちの研究室において以前,幼少期に心理的ストレスに曝露されたマウスは,成長後に発症した気管支喘息の炎症や気道過敏性が増悪すること,およびその増悪に視床下部-下垂体-副腎軸が関連していることを示した.さらに,脳イメージング研究では,アレルゲンに曝露された喘息患者において"喘息に関連する言葉"の刺激による前帯状皮質や島皮質の活動が炎症マーカーや気道の閉塞に関連していたことを報告している.今後は,これらの基礎研究から得られた知見を臨床に生かし,病態の解明および効果的な治療法の開発を行うことが大切である.
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.15064/jjpm.55.8_936
- ISSN : 0385-0307
- CiNii Articles ID : 110009975445
- CiNii Books ID : AN00121636
- identifiers.cinii_nr_id : 9000002687084