講演・口頭発表等

2015年11月29日

マーケィングのロングテール -社会生態学のケースとしての秋葉原ー

日本マーケティング学会(早稲田大学)2015マーケティングカンファレンス
  • 山田 一人

記述言語
日本語
会議種別
ポスター発表
主催者
日本マーケティング学会
開催地
早稲田大学

戦後約70年の日本経済の中で、秋葉原地域はビジネスモデルイノベーションを起こし、一定の産業創造を担ってきた。秋葉原地域は、「秋葉原特有の経済現象(A.マーシャルは、「空間の奥義」と呼んでいる。)」があるものと思われる。また、秋葉原地域は、ここ約20数年間で「アキバ文化」を創造してきた。戦後の闇市から脈々と続いている秋葉原特有の文化を継続し、外部から新しい情報を取り入れ、秋葉原内外に情報を発信することにより、秋葉原を“アキバ”としてメディア化させ、評判を喚起し、産業転換を促進させた。このようにして、“アキバ”という社会生態系が創出してきたのである。
また、秋葉原地域は、「経済現象と文化現象を融合させるメカニズム」が存在しているものと思われる。それは、電子部品卸・電子部品小売(流通)を経て電気街になり、更に、電気街から“オタクの聖地”に変貌を遂げた産業転換のメカニズムである。そして、秋葉原地域を歴史的に分析し、秋葉原全体を観察すると“アキバ”という社会生態系が現れてくる。(報告者は、これを「タイムマップ分析」と名づけている。)
本報告は、この社会生態系を考察し、アキバという場所を消費する消費者(オタク(知識の深い専門家)を含む)のニッチ文化がロングテールにアキバの産業を生存させていることが、この場所におけるロングテール・マーケティング戦略であり、先に挙げた「経済現象と文化現象を融合させるメカニズム」であることを指摘したものである。

リンク情報
URL
http://www.j-mac.or.jp/conference/conference2015/