基本情報

所属
千葉大学大学院  大学院 医学研究院 助教
学位
博士(学術)(2007年3月 筑波大学)

ORCID ID
 https://orcid.org/0000-0002-5804-6090
J-GLOBAL ID
201601010631145182
researchmap会員ID
B000251797

外部リンク

私たちのグループはこれまでにがん抑制遺伝子p53を中心に、転写因子複合体解析のエキスパートとして業績を挙げてきました(Cell, 130, 638, 2007; PNAS, 107, 7461, 2010; Nature Immunology, 19, 1427, 2018; PNAS, 15, 8370, 2018)。最近では、ヒトES細胞を対象としたRNA-seqとChIP-seq/ATAC-seq解析より、p53誘導型長鎖非コードRNA(lncRNA)群を同定し、ヒトESの未分化性維持やES初期分化におけるlinage commitmentの制御因子として作用する可能性を見出してきています。中でも、私たちが発見したがんとヒトESの両者に高発現するp53誘導型lncRNA lnc-p53は、抗がん剤耐性を惹起することを明らかにしました (19th HFSP Awardees Meeting , The 6th Cancer Epigenomics Symposium & Seminar in Hematologic Malignancies and Epigenetics, 第92回 日本生化学会など 国内外の学会やシンポジウムで発表しております)。

このような経緯から現在私は「ヒトES細胞で同定された機能的p53誘導型lncRNAがん幹細胞が抗がん剤耐性を獲得することへの理解につながるのではないか?」というテーマを設定し研究を進めております。

私はこれまで生体のシグナルに応答してどのように遺伝子の発現がオンになるのか研究を続けてまいりました。具体的には、胆汁酸が糖代謝に寄与すること(JBC, 279(22) 23158, 2004、IJMM 19(5) 751 2007)、酸化ストレスによるタンパクのアルギニンメチル化がインスリンシグナルを直接遮断する仕組み(Molecular Cell 32(2) 221 2008、PNAS 108(15) 6085 2011、Cell Metabolism 13(5) 505 2011)、白血病で高頻度に体細胞変異の起こる機能未知ドメインの役割(JB, 161(4) 327 2017)を明らかにしました。このような生化学・分子生物学・エピジェネティクスの分析手法を柱に、私たちのグループが得意とする「がん三次元培養」の手法を応用し、lncRNA-p53複合体依存的ながん幹細胞特性制御法開発など、難治性・治療抵抗性がんに対する核酸創薬シーズの創出を目指します。

この研究に興味をお持ちの方は是非ご連絡いただければ幸いです。


主要な論文

  29

主要なMISC

  46

書籍等出版物

  2

主要な講演・口頭発表等

  16

共同研究・競争的資金等の研究課題

  10