共同研究・競争的資金等の研究課題

2006年 - 2007年

抗MuSK自己抗体で発症する重症筋無力症モデル動物を使った分子病態の解析

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
18590946
体系的課題番号
JP18590946
配分額
(総額)
4,010,000円
(直接経費)
3,500,000円
(間接経費)
510,000円

重症筋無力症患者の約85%は神経筋接合部の筋肉側に存在するアセチルコリン受容体が抗体によって障害されるために発症することが約30年前に米国で明らかにされましたが、残りの15%の原因は未解明でした.私達は神経筋接合部の筋肉側に存在するMuSK(muscle specific kinase)に対する抗体で重症筋無力症が発症することを世界ではじめて明らかにしました(J.Clin.Invest.2006).またMuSK抗体値の検査システムを確立しました.宇多野病院で依頼病院からの依頼を受け無償で確定診断を行い最新診断技術の普及に貢献しています(Neurology2004, Neurology2005)。MuSK抗体値測定は治療効果や予後判定にも役立つことを報告しました(E.J.Neurology2007).大学病院からの依頼には無制約で検査協力を行い我が国の臨床研究に貢献しています.MuSK抗体陽性の重症筋無力症は重症例が多いこと、従来治療法に対する治療成績も報告しました(E.J.Neurology2007).さらにMuSK抗体検査システムの開発中に新しい自己抗原(アルカリフォスファターゼ)を発見しました(J Neurol Sciences 2007).アセチルコリン受容体抗体陽性患者の臨床的重症化の指標となる新しい検査法として期待されます.当該研究によりMuSK抗体重症筋無力症の革新的診断、治療法の開発基盤となる分子病態を明らかにして発症分子機序の新しいモデルを提唱しましたました(Ann.N.Y.Acad.Sci 2008, Act Myologica 2008).

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18590946
ID情報
  • 課題番号 : 18590946
  • 体系的課題番号 : JP18590946