共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年6月 - 2024年3月

高密度細菌集団の秩序創発・状態制御を司る熱統計力学原理の探求

日本学術振興会  科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)  新学術領域研究(研究領域提案型)

課題番号
19H05800
体系的課題番号
JP19H05800
配分額
(総額)
92,040,000円
(直接経費)
70,800,000円
(間接経費)
21,240,000円

本年度も引き続き、高密度細菌集団のモデル実験系の研究、特に(i)高密度細菌集団の非平衡相の研究と(ii)高密度細菌集団の支配因子の探求を行い、細菌集団の情報物理学の基盤づくりを推進した。
本年度はまず、高密度細菌集団を均一環境で長時間培養し、観察可能な独自の微小流体デバイス「広域マイクロ灌流系」の開発を完了し、論文発表を行った。論文では、本デバイスにより発見した、大腸菌集団の飢餓過程における細胞サイズゆらぎのスケール不変性について詳細に報告した。本成果は、変動する環境下で細菌集団が示す統計的性質の頑健さを示すものであり、細胞集団の情報物理学推進のうえで重要な成果と考えている。
(i)「高密度細菌集団の非平衡相の研究」については、広域マイクロ灌流系を用い、運動性の大腸菌集団の高密度化に伴うガラス化について詳細な研究を実施した。結果、大腸菌集団のガラス転移現象や配向ガラス状態を発見し、各相や転移の特徴を明らかにしたほか、配向秩序に関するドメイン構造の発達も見出した。本成果は、細菌集団の非平衡熱力学的特徴を理解するうえで重要な結果である。
(ii)「高密度細菌集団の支配因子の探求」については、非運動性の大腸菌集団において、コロニーの3次元構造とトポロジカル欠陥の関係を調査し、最下層で欠陥が生じている箇所ではコロニー局所高さが有意に高いという相関を見出した。そこで欠陥と細胞流の関係を調査し、従来は細胞流出を促すとされていた種類の欠陥においても細胞流入を見出したほか、それが欠陥周りの細胞の3次元的傾きによって説明できることを発見した。本成果は、トポロジカル欠陥という少数の点が、細胞集団の流動や3次元構造形成を左右することを示しており、アクティブマター物理学や細胞集団の情報物理学の観点からも重要な成果と考えている。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PLANNED-19H05800
ID情報
  • 課題番号 : 19H05800
  • 体系的課題番号 : JP19H05800

この研究課題の成果一覧

論文

  18

MISC

  4

書籍等出版物

  1

講演・口頭発表等

  55

社会貢献活動

  4

メディア報道

  2