2018年4月 - 2021年3月
凍結細胞の運命:バイオインフォマティクスに基づく医療用細胞の品質評価技術の構築
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
【研究目的】本研究では、凍結・解凍後の細胞・組織の状態、品質評価技術を提案することを目的として、最終的には、医療用細胞の品質の向上を目指す。具体的な研究課題として、①長期凍結保存した細胞の品質評価(組織由来幹細胞など)、②凍結保存した細胞・組織構築物の品質評価、③凍結保存した組織・臓器の品質評価、について検討した。
【研究成果】1年目における各々の研究課題に対する主な成果をまとめた。
① 9年以上前に凍結保存したヒト脂肪組織由来幹細胞(ASCs)を解凍し、その品質について検討した(中林、宮本)。解凍後のヒトASCsの生存率は90%以上であり、解凍・培養後のヒトASCsは線維芽様細胞の形態を示し、マイコプラズマも検出されず、脂肪・骨への分化が確認できた。
② 三次元培養デバイスTASCL(Tapered Stencil for Cluster Culture)を用いて、均一なヒト脂肪様組織構築物を大量に創製した(池内、宮本)。続いて、ガラス化凍結法も用いてこれらを凍結し、液体窒素下で保管した。結果、凍結・解凍後のヒト脂肪様組織構築物の状態も良く、その機能も維持していることが確認できた。
③ マウスから採取した各々の組織をガラス化凍結法により凍結し、液体窒素下で保管した(河野、宮本)。結果、凍結・解凍後の動物組織の状態は、組織ごとに異なることが確認できた。
以上より、本研究では、①②③で得られた成果をもとに、有効な細胞・組織の品質評価技術の構築について検証している。実験動物を用いる研究については、各大学・研究施設の動物実験指針に準拠して研究を実施した。ヒト細胞・組織を用いる研究については、機関の外部委員を含めた倫理審査委員会において生命倫理、安全管理を厳重に審査する。倫理委員会の承認かつ実施施設の長の許可を得て、全ての研究を遂行した。
【研究成果】1年目における各々の研究課題に対する主な成果をまとめた。
① 9年以上前に凍結保存したヒト脂肪組織由来幹細胞(ASCs)を解凍し、その品質について検討した(中林、宮本)。解凍後のヒトASCsの生存率は90%以上であり、解凍・培養後のヒトASCsは線維芽様細胞の形態を示し、マイコプラズマも検出されず、脂肪・骨への分化が確認できた。
② 三次元培養デバイスTASCL(Tapered Stencil for Cluster Culture)を用いて、均一なヒト脂肪様組織構築物を大量に創製した(池内、宮本)。続いて、ガラス化凍結法も用いてこれらを凍結し、液体窒素下で保管した。結果、凍結・解凍後のヒト脂肪様組織構築物の状態も良く、その機能も維持していることが確認できた。
③ マウスから採取した各々の組織をガラス化凍結法により凍結し、液体窒素下で保管した(河野、宮本)。結果、凍結・解凍後の動物組織の状態は、組織ごとに異なることが確認できた。
以上より、本研究では、①②③で得られた成果をもとに、有効な細胞・組織の品質評価技術の構築について検証している。実験動物を用いる研究については、各大学・研究施設の動物実験指針に準拠して研究を実施した。ヒト細胞・組織を用いる研究については、機関の外部委員を含めた倫理審査委員会において生命倫理、安全管理を厳重に審査する。倫理委員会の承認かつ実施施設の長の許可を得て、全ての研究を遂行した。
- リンク情報
- ID情報
-
- 課題番号 : 18H03556
- 体系的課題番号 : JP18H03556
この研究課題の成果一覧
絞り込み
論文
5-
Regenerative Therapy 19 58-68 2022年3月 査読有り最終著者責任著者
-
Laboratory investigation; a journal of technical methods and pathology 100(4) 583-595 2020年4月 査読有り
-
バイオサイエンスとインダストリー 78(2) 102-105 2020年 査読有り招待有り筆頭著者責任著者
-
Organ Biology 27(1) 2020年 査読有り招待有り筆頭著者責任著者
-
Genes to cells : devoted to molecular & cellular mechanisms 23(10) 904-914 2018年8月 査読有り