2016年4月 - 2019年3月
小アジアにおけるグローバル文化としてのギリシア文化とその地域性に関する研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
本研究は、小アジアの諸地域が、周辺諸文明との接触によりどのように独自の文化を展開したかについて、リキアを事例に考察した。(1)前5世紀来のリキアの碑文文化には、アケメネス朝とアテナイ帝国双方からの影響が認められた。リキアの小王国が、ギリシア文化との接触を通じて、ギリシアの碑文文化を表面的に受容しつつ、アケメネス朝の支配理念を表現していたことは、東地中海における文化形成の過程を考察する上でも興味深い。(2)ヘレニズム・ローマ時代のリキア諸都市は、建国神話を利用し、再構成することで競合関係を表現してきた。建国神話は諸都市の力関係と同盟関係を示す一方、そこから抜け落ちた都市との対立関係も暗示した。
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- ID情報
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- 課題番号 : 16K03122
- 体系的課題番号 : JP16K03122
この研究課題の成果一覧
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論文
1-
史苑 84(1) 109-128 2024年1月 招待有り筆頭著者
書籍等出版物
2-
Phoibos 2021年12月 (ISBN: 9783851612608)
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Koç University Press,AKMED, Koç University Suna & İnan Kıraç Research Center for Mediterranean Civilizations 2020年10月 (ISBN: 9786057685513)
講演・口頭発表等
3-
フェニキア—カルタゴ研究会第5回公開報告会 2019年3月17日 招待有り
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One Day Workshop: Approaches to Local Historiography 2018年9月17日
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第67回日本西洋史学会大会(一橋大学) 2017年5月21日 招待有り