2012年11月
手術単独にて治癒せしめたガレン静脈部硬膜動静脈瘻の1例
秋田赤十字病院医学雑誌
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- 巻
- 1
- 号
- 1
- 開始ページ
- 42
- 終了ページ
- 47
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 秋田赤十字病院
症例は62歳男性で、高血圧で内服治療中であった。早朝にいびき様呼吸となり、呼びかけに反応せず救急搬送された。意識レベルはJCS III-200であった。CTで脳室内出血を認め、第4、第3脳室に血腫が充満し、右視床の血腫の中央に2.4cm大の高吸収域の腫瘤が存在し、造影剤で著明に増強された。MRIで腫瘤部はflow voidとして描出され、左側頭葉内側面から脳底槽に左脳底静脈の血栓化を示す高信号域を認め、MRAでは後大脳動脈と後硬膜動脈を流入血管とするテント部硬膜動静脈瘻(DAVF)が疑われた。脳室ドレナージで若干の改善が認められたが、3病日に髄液と血液の流出を認め、CTで再出を認めての血管撮影を行い、テント部DAVFの他にガレン静脈に瘻が存在し、右脳底静脈は盲端となり静脈瘤様に拡張しており、皮質静脈への逆流が認められた。ガレンDAVFと診断し、再々出血を認めて手術を行った。術後1ヵ月より意識レベルが改善し始め、56病日に回復期リハビリ病院へ転院した。
- ID情報
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- ISSN : 2187-6630
- 医中誌Web ID : 2013183481