1999年 - 2000年
漢方方剤によるマウスアトピー性皮膚炎セラピーモデルの作製
日本学術振興会 科学研究費助成事業 奨励研究(A)
報告者らはアトピー性疾患において漢方治療による体質改善の可能性が示されればアトピー患者の治療に新たな方向性を示すことができると考える。
本研究ではマウスアトピー性皮膚炎セラピーモデルを作製し、Th1/Th2バランスに着目した解析を行っている。このモデルにおいて漢方方剤の効果を検討し、その有効性と作用機序を解析することを目的とする。本研究により臨床的に有効性が確認されている漢方治療の作用機序解析のための動物モデルを確立できれば最終的にはアトピー性疾患の根本的な治療に結びつくものと期待される。
報告者はこれまでにBALB/cマウスの皮膚バリアを破壊しHouse dust mite antigen(MA)を塗布してアトピー性皮膚炎様の炎症を起こすマウスモデルを作製した。このモデルにおいて炎症局所に近い腋窩および鼠径部リンパ節でのサイトカインmRNA発現においてIL-4 mRNAの発現が上昇し、このマウスのTh1/Th2バランスがTh2優位にシフトしていることが確認された。またTh1 vs Th2免疫反応の指標となるCD19陽性B細胞上のB7分子においてTh2タイプを示すB7.2(CD86)の発現量が優位に増加していた。これらのことから本マウス皮膚炎モデルではTh2優位の免疫応答により皮膚炎が発症していることが示された。
また報告者は漢方方剤・補中益気湯の投与によりBALB/cマウスのTh1/Th2バランスがTh1タイプへとシフトするという興味深い所見を得ており、現在これらの結果を踏まえて漢方方剤によりマウス皮膚炎モデルにおいて炎症抑制が見られるかどうかを検討している。
本研究ではマウスアトピー性皮膚炎セラピーモデルを作製し、Th1/Th2バランスに着目した解析を行っている。このモデルにおいて漢方方剤の効果を検討し、その有効性と作用機序を解析することを目的とする。本研究により臨床的に有効性が確認されている漢方治療の作用機序解析のための動物モデルを確立できれば最終的にはアトピー性疾患の根本的な治療に結びつくものと期待される。
報告者はこれまでにBALB/cマウスの皮膚バリアを破壊しHouse dust mite antigen(MA)を塗布してアトピー性皮膚炎様の炎症を起こすマウスモデルを作製した。このモデルにおいて炎症局所に近い腋窩および鼠径部リンパ節でのサイトカインmRNA発現においてIL-4 mRNAの発現が上昇し、このマウスのTh1/Th2バランスがTh2優位にシフトしていることが確認された。またTh1 vs Th2免疫反応の指標となるCD19陽性B細胞上のB7分子においてTh2タイプを示すB7.2(CD86)の発現量が優位に増加していた。これらのことから本マウス皮膚炎モデルではTh2優位の免疫応答により皮膚炎が発症していることが示された。
また報告者は漢方方剤・補中益気湯の投与によりBALB/cマウスのTh1/Th2バランスがTh1タイプへとシフトするという興味深い所見を得ており、現在これらの結果を踏まえて漢方方剤によりマウス皮膚炎モデルにおいて炎症抑制が見られるかどうかを検討している。
- ID情報
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- 課題番号 : 11770257
- 体系的課題番号 : JP11770257