2016年
春播きコムギ品種「はるきらり」×スペルトコムギ由来の戻し交雑自殖系統における子実タンパク質含有率の評価
帯広畜産大学学術研究報告
- 巻
- 37
- 号
- 開始ページ
- 25
- 終了ページ
- 32
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 帯広畜産大学
コムギの子実タンパク質含有率は、小麦粉の品質や物性に大きく関わる重要な形質である。本研究では、北海道の春播きコムギ品種「はるきらり」を反復親、スペルトコムギ系統(KU-1025)を一回親として育成した戻し交雑自殖系統(Backcross Inbred Line : BILs)BC1F5 世代32 系統を用いて、子実タンパク質含有率および子実窒素吸収量について評価を行った。北見および帯広で栽培試験を行った結果、「KU-1025」の子実タンパク質含有率は、両試験区で「はるきらり」より高い値を示した。BILs における子実タンパク質含有率と子実収量の間には両試験区ともに有意な負の相関が認められ、子実タンパク質含有率・子実収量ともに「はるきらり」を上回る系統が複数認められた。子実タンパク質含有率と同様に子実窒素吸収量についても「KU-1025」は「はるきらり」より高い値を示し、BILs の中には子実窒素吸収量および子実収量ともに「はるきらり」を上回る系統が複数認められた。以上の結果から、「KU-1025」は、子実タンパク質含有率および子実窒素吸収量に優れており、高タンパク質含有率かつ高収量を示すパンコムギ品種の作出に貢献できる変異を有すると考えられた。
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- ID情報
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- CiNii Articles ID : 120006353370