生検を極めるには、スコープ操作や採取手技だけでなく、実際の内視鏡所見を踏まえて、どの場所から生検を採取すると、どのような組織像が得られるのかを予測しながら検査を行うトレーニングが必要である。内視鏡観察を疎かにして、診断を安易に生検に頼っていては、内視鏡検査をいくら行っても実力は身につかない。内視鏡診断力の向上のためには、生検を含めた病理組織診断に関する知識や理解も必要となる。生検後に動脈性出血をきたした経験もあり、緊急止血を含めた偶発症対策も欠かすことはできない。これらは、内視鏡を用いた各種治療手技を目指すための第一歩でもあり確実に習得したい。(著者抄録)