基本情報

所属
大阪大学 大学院人間科学研究科 人間科学専攻 准教授
学位
博士(人間科学)(大阪大学)

研究者番号
90608572
J-GLOBAL ID
201001044911976532
researchmap会員ID
6000023034

最近(2023年頃)の関心は、22年度とかわらず、近代哲学史における自然概念ですが、もっぱら自然法、自然法則、自然権の問題に焦点を当てています。この科学認識論的問題を、グレーバー、アナ・チン、ハラウェイらの議論に接続する道を今年度は探ってゆきます。また、社会性を基盤とする人間に固有の諸現象を、人間の相互行為の固有性を基盤に理解していくという研究計画を進めていきます。また、存在論としては、特異性のみからなる存在論において、部分がいかに発生するかという問題について検討していきます。これらの研究の局所については、各種機会に応じて公開していきますが、もっぱら『人類史の哲学』(青土社、2023年度予定)においてその全体像を示す予定です。

(2022年頃の関心は、西洋哲学史における自然概念と社会性の関係にあります。特に自然法と自然法則、自然権などの概念史に関心があり、人類学、社会学、法学、科学史、哲学史のあいだを調べています。)

研究のテーマ:自然科学、哲学、芸術などの人間の諸活動を、人間の社会性を基盤として理解するための基礎的理論研究

研究の一般的背景:人新世時代とも言われる現代社会の諸問題の多くは、経済や社会、あるいは人間のモラルや自然科学など、通常は区別される領域が複雑に絡み合っている場所において生じています。たとえば環境問題はその典型例でしょう。このような現代の諸問題に取り組むためには、人間、自然科学、社会、経済という四つの基本カテゴリーのあいだの複雑なありようを、一貫した視野のもとで総合的に理解する新たな思考枠組みを構築する必要があると考えています。

直近のテーマ1:フランス現代哲学、とくにドゥルーズ、フーコー、カヴァイエス、ロトマン、シモンドン、バディウについての研究

直近のテーマ2:フランスの社会学および人類学の学説史の研究およびデュルケム、モース、レヴィ=ストロース、ラトゥールらの思想的背景の研究

直近のテーマ3:19世紀後半から20世紀前半にかけてのフランスの哲学研究の変化についての研究。たとえばヴィクトール・デルボスの哲学史研究の意義について。

直近のテーマ4:ダナ・ハラウェイ、アナ・チン、デイヴィッド・グレーバー、ブリュノ・ラトゥールらの議論を通底する哲学的含意と、そこでの議論が哲学にもたらす論点を明らかにすること。

最近の関心1:19世紀のフランスの実証主義およびその周辺での思想的影響関係のなかに、エピステモロジーの文脈を位置付けつつ、20世紀のフランス哲学を再解釈すること。特にフランスにおけるスピノザ解釈との関わりとの関連で。

最近の関心2:ドゥルーズ&ガタリの『哲学とは何か』の議論を出発点として、ドゥルーズおよびガタリの哲学を再解釈しつつ、『哲学とは何か』のあとの議論を新たに再開すること。

最近の関心3:日本社会の近代化における実証主義および西洋哲学の導入の制度的、思想的な歴史的経緯についての研究。併せて戦後の日本社会における科学思想研究の変遷と哲学研究の歴史的経緯について。



書籍等出版物

  25

論文

  49

講演・口頭発表等

  47

MISC

  30

共同研究・競争的資金等の研究課題

  13