2015年1月
著明な乳頭浮腫で発見されたIgG-κ型多発性骨髄腫の1例
眼科
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- 巻
- 57
- 号
- 1
- 開始ページ
- 59
- 終了ページ
- 64
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 金原出版(株)
症例は57歳男性で、半年ほど前から両眼、特に右眼で周りが暗く見えることに気づき受診した。眼球運動に制限はなく、瞳孔は正円同大で瞳孔反応に異常はなかった。初診時矯正視力は右0.6、左1.0であった。眼底所見で両眼の視神経乳頭は高度に発赤・腫脹し、境界は不明瞭で網膜静脈は拡張し、点状あるいは斑状出血および白斑がみられ、網膜皺襞を伴っていた。限界フリッカ値は右25Hz、左32Hzで、Goldmann視野検査では右眼のマリオット盲点の拡大がみられた。血液検査でγ-グロブリン、IgGの増加を、頭部画像検査で骨破壊像および占拠性病変を認め、免疫電気泳動ではM蛋白が検出された。骨髄検査でIgG-κ陽性の形質細胞を多数認め、症候性多発性骨髄腫と診断された。大量化学療法と末梢血造血幹細胞移植が施行され、視力や眼底所見は改善し、部分寛解の判定で維持療法計画中である。
- リンク情報
- ID情報
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- ISSN : 0016-4488
- 医中誌Web ID : 2015152896
- CiNii Articles ID : 40020325889
- CiNii Books ID : AN00045946