共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

固有感覚の脳内座標系に基づく脳卒中患者の病態解析の計算システム

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K12638
体系的課題番号
JP20K12638
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

本研究は、脳卒中による運動障害を計測データから定量的に解析することを目的とする。その解析のために、神経生理のデータに基づき、運動制御のための筋の協調制御を行うための制御仕組みが脳中枢にあると想定した。この制御仕組みは、大脳基底核や小脳などの運動制御部位からの運動制御信号が一次運動野(M1)におけるニューロン活動としてコード化され、皮質脊髄路を通って筋を制御する仕組みである。そのため、脳卒中によって上記の運動制御部位に異常が生じた際には、M1のニューロン活動の異常を引き起こし、運動障害が生じる。特に、運動制御の際には、学習や経験によって得られた運動スキルの再利用が大変重要な役割をするため、運動障害を解析する上でも、脳中枢におけるこの仕組みの解明は大変重要である。この制御仕組みの解明のために、大脳基底核と皮質脊髄路の神経生理の構造に基づき、脳中枢における学習済みの運動スキルの再利用の仕組みを提案し、計算シミュレーションによってその妥当性を示した。この成果は、査読付きSCI論文誌であるFrontiers in Computational Neuroscienceに掲載した。また、日本神経学会開催の国際学会であるNeuroscience 2020において同研究結果を発表した。
また、上記のM1のニューロンには、大脳基底核や小脳から、運動を実施するための筋制御信号が入力されるが、この信号には、運動実施のための運動方向、速度、加速度の三つの要素に対する筋制御信号が含まれている。この仕組みを用いた計算モデルを構築し、筋電図信号から上記の三要素の働きをベクトル成分として解析できた。この成果は、交付申請書[D-2-1]の「補助事業期間中の研究実施計画」で述べた研究計画の①と②を満たすものであり、臨床研究における疑義の詳細は下記の7の「現在までの進捗状況」を参照されたい。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K12638
ID情報
  • 課題番号 : 20K12638
  • 体系的課題番号 : JP20K12638