共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

運動が夜間多尿に与える影響とその病態に基づいた治療法の開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(C)

課題番号
20K09577
体系的番号
JP20K09577
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

19週齢のC57BL/6マウスに高濃度塩分を含有している餌と高血圧を惹起させる薬剤を2週間投与することでヒトの夜間多尿に模した夜間多尿preclinicalマウスモデルを作った。このモデルをaVSOPを用いて尿生成リズムを測定すると、1日尿量はコントロールとモデルで変わらないが、モデルでは夜間尿量は有意に多くなった。この原因として、腎における免疫担当細胞の関与があるのではと仮説を立て、その検証を行った。まず腎の尿細管を近位尿細管、遠位尿細管、集合管で免疫組織化学染色にて染め分けた。さらに免疫担当細胞であるTリンパ球、Bリンパ球の免疫組織学的染色を行うと、腎におけるTリンパ球の浸潤が夜間多尿モデルでは有意に増加した。このことは夜間多尿に腎の免疫担当細胞が影響を及ぼしていることを示す。さらにこのリンパ球がどの尿細管に対して、作用を行っているかについては現在検討中である。またヒトの夜間多尿では高血圧や腎機能、睡眠障害が原因となっている。このモデルにおいてこれらのことが夜間多尿に影響を及ぼしているかについて検討した。まず血圧ではモデルでは高血圧を呈していたので、降圧剤を投与することで夜間多尿が軽減するかを検討したところ、夜間多尿は軽減しなかった。つまり高血圧自身が夜間多尿を及ぼしているわけではなかった。また腎機能についてはコントロール群と夜間多尿モデル群で有意差を認めなかった。さらに睡眠障害がないかについて非活動期における行動様式のビデオ撮影を行うと、コントロール群と夜間多尿モデル群では有意差がなかった。つまりこれらの一般的に夜間多尿の原因となっていることに差を認めなかったため、違う機序で多尿になっていることが示唆された。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K09577
ID情報
  • 課題番号 : 20K09577
  • 体系的番号 : JP20K09577