2020年12月
17年を経過して再減量手術を行った上顎骨線維性異形成症の1例
新潟歯学会雑誌
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- 巻
- 50
- 号
- 2
- 開始ページ
- 79
- 終了ページ
- 85
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 新潟歯学会
線維性異形成症(FD)は正常な骨組織が線維性結合組織で置換され増殖することを特徴とする非腫瘍性骨病変である。骨格成長後にはFDの増殖が静止するとされているが、成人期でも増大をきたすことがある。今回、上顎骨FDの減量手術後再増大をきたし、再び減量手術が必要となった症例を経験したので報告する。患者は42歳の男性。25歳の時に上顎骨FDの減量手術を施行されるも受診が途絶え、再増大による顔面非対称をきたしたため17年後に当科初診となった。顔面非対称改善と病変増大による機能障害の予防のため、右側上顎骨頬側と口蓋側の2回に分けて減量手術を行った。削除量の目安としてCT画像から3次元実体モデルを利用してサージカルガイドを制作し、術中の対称性確認と手術時間の短縮を行った。術後3年経過した現在、明らかな再増大はない。今回もあくまで減量手術であり、病巣の残遺に伴う病態変化の可能性についての患者教育とともに長期の経過管理が重要と考えられた。(著者抄録)
- ID情報
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- ISSN : 0385-0153
- 医中誌Web ID : 2021200530