論文

2021年3月

軽度精神発達遅滞を有する両側筋突起過形成症の治療経験

日本口腔科学会雑誌
  • 隅田 賢正
  • ,
  • 児玉 泰光
  • ,
  • 鶴巻 浩

70
1
開始ページ
43
終了ページ
48
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(NPO)日本口腔科学会

筋突起過形成症は緩徐に進行しながら開口障害を呈する疾患で、自覚症状に乏しく、歯科治療時に偶発的に発見されることが多い。治療は手術が第一選択となるが、術後に開口訓練が必須であるため、周術期の治療コンプライアンスも治療を完遂するうえで極めて重要である。今回、精神発達遅滞を有する引きこもり生活中の29歳女性に生じ、それらが疾患発見遅延および治療遂行に影響を与えた両側筋突起過形成症の1例を経験したので報告する。患者は下顎左側智歯周囲炎を主訴に十数年ぶりに歯科受診した際に、両側下顎埋伏智歯および開口障害を指摘された。CTにて両側筋突起の著しい伸長があり、両側筋突起過形成症および両側下顎埋伏智歯の診断の元、全身麻酔下に両側筋突起切除および両側下顎埋伏智歯抜歯を行った。術中、両側筋突起切除後に両側顎関節が滑走運動して開口量が47mmとなることを確認した。術後3日目より開口訓練を開始するも、一時的に訓練に対する強い拒否があり開口量が減少したが、繰り返し訓練の必要性を説明し訓練を継続させた。現在、術後1年で自力開口量40mmと良好な開口量が保たれている。(著者抄録)

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ID情報
  • ISSN : 0029-0297
  • eISSN : 2185-0461
  • 医中誌Web ID : 2021197791

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