論文

2016年12月

過去10年間における顎顔面骨骨折の臨床的検討 高次救命災害治療センター開設前後での比較

口腔顎顔面外傷
  • 大貫 尚志
  • ,
  • 児玉 泰光
  • ,
  • 北村 厚
  • ,
  • 本多 忠幸
  • ,
  • 遠藤 裕
  • ,
  • 高木 律男

15
1-2
開始ページ
1
終了ページ
6
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
日本口腔顎顔面外傷学会

過去10年間に受診した顎顔面外傷835例を対象とし、救命センター開設前と開設後に分けた。内訳は、歯の損傷493例、軟組織損傷181例、顎顔面骨骨折112例、打撲症26例、歯槽骨骨折23例であった。開設前は10歳代が最も多く、開設後は60歳代が最も多かった。受傷原因は、いずれも転倒・転落が最も多かったが、開設後には、交通事故が3.1倍に、自殺企図が2.2倍となった。骨折部位では、開設後に顎顔面多発骨折が2.0倍となった。処置内容は、開設後に非観血的整復固定術が1.6倍に増加した。既往歴では、開設前は31.3%であったが、開設後は46.2%で、有病者の割合が1.5倍となった。既往歴の詳細についてみてみると、高血圧症や不整脈などの循環器疾患、消化器疾患、内分泌代謝疾患、神経筋疾患に加え、うつ病などの精神疾患が増加した。合併損傷の割合は、開設前は17.0%であったが、開設後は43.1%で2.5倍となった。2012年11月にドクターヘリが導入され、2013年は257件、2014年は330件の稼働があり、治療に関わった顎顔面骨骨折症例は2014年に3例であった。

ID情報
  • ISSN : 1347-9903
  • 医中誌Web ID : 2017129001

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