論文

2006年6月

佐渡市立両津病院歯科口腔外科における抗血栓療法患者の非休薬下歯科観血処置 当科の対応とアンケート調査結果について

新潟歯学会雑誌
  • 児玉 泰光
  • ,
  • 高木 律男
  • ,
  • 猪本 正人
  • ,
  • 飯田 明彦
  • ,
  • 山中 正文
  • ,
  • 大鳥居 淳
  • ,
  • 神田 健史
  • ,
  • 高宮 治生

36
1
開始ページ
13
終了ページ
21
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
新潟歯学会

抗血栓療法患者の歯科観血処置に際して,抗血栓薬を休薬するか否かの判断は各施設で異なる.短期間の休薬であれば血栓発症の可能性は低いとする意見や周術期の出血を危惧して休薬を勧める意見など様々であるが,最近では,非休薬下でも安全な歯科観血処置が可能であるとする報告も散見されるようになっている.当科でも2004年6月から原則非休薬で対応することとし,術直後の局所止血と術後数日の予期せぬ出血に対する管理体制の整備に重点を置いている.今回,抗血栓薬を休薬せずに歯科観血処置を行った14症例について,周術期の経過を調査したところ,術後出血は2例(14.3%)に認められ,いずれも止血は容易であった.局所止血には,止血材料と止血シーネが有効で,短期入院下で管理することにより,予期せぬ出血に対しても迅速かつ適切な処置が可能であった.さらに,周術期を通して血栓発症を疑う所見はなく,総じて安全な処置が可能であった.また,周辺地域の医療スタッフを対象にアンケート調査を行ったので,その結果を踏まえて,今後は関係機関との連携に努めたいと考えている(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0385-0153
  • 医中誌Web ID : 2006232453

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