共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2020年3月

老化によるパーキンソン病iPS細胞由来ドパミン神経異常発現機序の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
18K15463
体系的課題番号
JP18K15463
配分額
(総額)
4,160,000円
(直接経費)
3,200,000円
(間接経費)
960,000円

パーキンソン病は加齢により発症率が上昇することから、加齢がパーキンソン病発症の大きな要因の一つと考えられているが、その病態機序は不明である。本研究では遺伝性パーキンソン病患者由来iPS細胞および孤発性パーキンソン病患者由来iPS細胞をドパミン神経細胞に分化誘導したパーキンソン病モデルドパミン神経細胞と、独自に見いだした老化促進剤を用いることによる老化モデルを組み合わせて、パーキンソン病の病態を再現することで、パーキンソン病発症における患者ドパミン神経細胞での老化の関与とそのメカニズムを解明することを目的とする。本研究を完遂することで、パーキンソン病の発症機序の一端を明らかにし、さらには新たなパーキンソン病治療ターゲットを示すことができる可能性がある。
既に樹立済みの複数の遺伝性パーキンソン病患者iPS細胞からドパミン神経細胞を誘導し、老化促進剤による異常表現型の違いを検討した。その結果、PARK4遺伝子異常(αシヌクレインのduplication)をもつドパミン神経細胞内において、これまでは長期間の培養を行っても再現が困難であったαシヌクレインの細胞質内凝集を、短期間の培養で確認することができた。反対の作用を示すと思われるSIRT1活性化については、培地内のNAD+の調整が必要であるが培地作製の問題から実現できなかった。
また、孤発性パーキンソン病iPS細胞については、まず4例の孤発性パーキンソン病患者由来ドーパミン神経細胞において、老化促進剤なしでミトコンドリア異常を来すことを見いだすことができた。今後検体数を増やし、老化促進剤による変化を検討する予定である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K15463
ID情報
  • 課題番号 : 18K15463
  • 体系的課題番号 : JP18K15463