2021年4月 - 2024年3月
ダイヤモンド量子センサによるナノスケール高温高圧イメージングの実現
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究
地球科学では高温高圧環境が欠かせない。高温高圧を実現する装置としてダイヤモンド・アンヴィル・セル(DAC)がある。ところが現状では、DAC内部の温度・圧力を高感度・高空間分解能でイメージングできるセンサが存在しないため、マントル組成や地殻の磁気モーメント含有量をより精緻に特定することは困難だ。本研究では、圧力・温度センサとして~1000K,~100GPa下で動作するダイヤモンド中の窒素・空孔欠陥(NVセンター)を用いて、DAC内の温度・圧力を高感度・高空間分解能で計測する手法の確立を目指している。
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一年目の2021年度は、NVセンターの温度感度および圧力感度を常温常圧から高温高圧に至るまで2次元パラメータ空間(T,P)で決定することを目標としていた。その最初の段階として、DACにより高圧を印加し、数10GPaに至るまでの圧力感度を常温で計測した。NVセンターの封入にあたっては、二年目に予定していたナノダイヤモンドを封入する技術を前倒しして開発し、採用した。本計測は常温で行われたため、先行研究がある。我々が得た圧力感度の結果はこれらの先行研究のものと整合しており、高温環境への拡張に対する期待が高まった。ところが、高温環境の実現にあたって、計測の再現性の観点からDAC全体を均一に加温する必要が生じたために、当初予定していたレーザー局所加熱とは異なる温度調整装置をいまだ設計している段階にある。二年目の2022年度は、高温環境を実現する装置の構築を進め、温度感度および圧力感度を温度・圧力の2次元空間でより包括的に計測することを目指す。
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一年目の2021年度は、NVセンターの温度感度および圧力感度を常温常圧から高温高圧に至るまで2次元パラメータ空間(T,P)で決定することを目標としていた。その最初の段階として、DACにより高圧を印加し、数10GPaに至るまでの圧力感度を常温で計測した。NVセンターの封入にあたっては、二年目に予定していたナノダイヤモンドを封入する技術を前倒しして開発し、採用した。本計測は常温で行われたため、先行研究がある。我々が得た圧力感度の結果はこれらの先行研究のものと整合しており、高温環境への拡張に対する期待が高まった。ところが、高温環境の実現にあたって、計測の再現性の観点からDAC全体を均一に加温する必要が生じたために、当初予定していたレーザー局所加熱とは異なる温度調整装置をいまだ設計している段階にある。二年目の2022年度は、高温環境を実現する装置の構築を進め、温度感度および圧力感度を温度・圧力の2次元空間でより包括的に計測することを目指す。
- ID情報
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- 課題番号 : 21K14524
- 体系的課題番号 : JP21K14524