共同研究・競争的資金等の研究課題

2015年4月 - 2018年3月

血清NMRデータを用いた電気けいれん療法の効果予測

文部科学省  科学研究費補助金(挑戦的萌芽研究)  

配分額
(総額)
3,510,000円
(直接経費)
2,700,000円
(間接経費)
810,000円
資金種別
競争的資金

本研究は、電気けいれん療法(ECT )を受けることで精神疾患の患者に生じる複数の生理的変化を、「血清のNMR計測と独自のデータ解析」を行うことにより、包括的に識別し、ECTの反応・再燃予測モデルの確立を目指すことを目的とする。本法は、生体試料に含まれる豊富な情報を活用して、個々の試料を識別することを可能にする。
京都大学医学部附属病院でECTの適応となった統合失調症・うつ病患者のうち、本人もしくは代諾者の書面による同意が得られた症例を対象に、1)ECT前、2)ECT5回目後、3)ECT終了後の3回のタイミングで血清採取と精神症状評価を行う。ECT群は30例程度の検体を収集することを目標としている。採取された血清については7テスラFT-NMR装置を使用したNMR計測を行い、数値化処理、解析の上で、治療反応性や再燃などの臨床指標との関連を調べる。
平成28年度に、代表者らは当院で電気けいれん療法の対象となった気分障害・統合失調症の患者のリクルートを進め、治療前、治療5回終了後、全治療終了後におけるデータ収集を行った。平成28年度にリクルートした12名を含め、現在までに16名の検体採取、臨床データの取得を終えている。そのうち10例における治療前、5回治療後、全治療終了後の計30の検体については研究分担者の平川らが所属する日本医科大学においてNMR計測を終えており、診断、治療反応、副作用、再発の有無と言った臨床データとの相関を調べる準備を進めているところである。検体が増えたために従来使用していた小型ディープフリーザーに加え、9月には新たに中型のディープフリーザーを購入し、京大病院での検体保存に使用している。
平成29年5月には16症例、48検体のNMR計測が終了する。その結果と臨床指標との相関を調べた結果を年度内に発表する予定である。

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-15K15430/