2014年4月 - 2018年3月
多能性幹細胞の分化異常機構を標的とする結節性硬化症の治療薬開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
遺伝性難病である結節性硬化症(TSC)の新規治療標的分子の特定を目指し、細胞分化異常に着目して研究を進めた。まず、TSCの病態発生の動物モデルであるEkerラット(TSC原因遺伝子であるTsc2に変異を持つ)より、ES細胞を樹立することに成功した。さらに、Tsc2が完全に欠失している(ホモ変異)ES細胞も、通常のES細胞と同様に多様な細胞種に分化する能力を保持すること、しかし一部に野生型等では観察されない組織の様相を示すことを明らかにした。Tsc2遺伝子欠損による遺伝子発現異常と、その基盤となる後生的な発現制御機構(エピゲノム)の異常について、今後の治療標的の同定に有用な基礎データを得た。
- ID情報
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- 課題番号 : 26460398
- 体系的課題番号 : JP26460398