共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年6月 - 2020年3月

「かたち」と「うごき」に注目した造血幹細胞の分類・機能評価

日本学術振興会  科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)  挑戦的研究(萌芽)

課題番号
18K19570
配分額
(総額)
6,240,000円
(直接経費)
4,800,000円
(間接経費)
1,440,000円

臓器の細胞社会を研究する際には、多数の細胞の中から解析対象の特定の細胞を見つけて、取り出して、解析する方法が不可欠である。全ての血液細胞を一生にわたって生み出し続ける造血幹細胞研究では、主に蛍光標識抗体や遺伝学的レポーターで細胞を標識し、フローサイトメーターを用いて特定の血液細胞を同定し、取り出して様々な解析が行われている。しかし、炎症時や培養後など、造血幹細胞を表面マーカーや遺伝学的レポーターではうまく同定できない状況が存在することを見出してきた。また、既存の手法では更なる造血幹細胞亜集団の純化は未だ達成できていない。本課題では、こうした典型的な造血幹細胞の同定手法の限界を突破するための、非古典的な数理生物学的な方法論の手がかりをつかむことを目的として研究を実施している。初年度は、まず造血幹細胞の「かたち」と「うごき」を測定するための二次元プラットフォームの確立をめざした検討を行った。これまで造血幹細胞の汎用可能な同様のプラットフォームは存在しないため、ハイコンテントアナライザーを用いて、細胞の接着器材やサイトカイン・培地などの培養条件を最適化することで造血幹細胞の「かたち」と「うごき」を測定することが可能であるか検証した。特に、培地組成をはじめとする種々の培養条件の最適化を通じて、幹細胞性を高く保ったまま長時間の造血幹細胞の数理生物学的パラメーターを測定する手法を確立するための基盤を整えた。

ID情報
  • 課題番号 : 18K19570