共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2023年3月

アイドリング状態の脳における情報処理メカニズム

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特別推進研究  特別推進研究

課題番号
18H05213
体系的課題番号
JP18H05213
配分額
(総額)
555,360,000円
(直接経費)
427,200,000円
(間接経費)
128,160,000円

1.アイドリング中の脳内活動: アイドリング脳の機能解析に適した複数の学習課題の開発を進め、推論、共通性抽出、論理的意思決定などのマウス学習課題を開発した。推論課題についてアイドリング脳の関与を詳しく解析した。学習直後の睡眠時に大脳皮質の一領域の神経細胞の活動を特異的に抑制すると、正答率がチャンスレベルに低下したことから、推論には学習直後の睡眠時の特定の大脳皮質の神経細胞活動が必要であることが分かった。また、アイドリング中に記憶エングラムの活動により、記憶同士の相互作用が起こることを見いだした。すなわち、潜在意識下で記憶エングラムが重要な機能を果たしていることが明らかになった。記憶エングラムの生成原理については、プレプレイ活動を示したセルアセンブリが記憶エングラムに優先的に取り込まれることを明らかにした。
2.技術開発: U-FEIS/MiLSSを用いたクローズドループ光操作系を改良し、設定可能なROIの数を最大100個まで増加させ、さらにFPGA画像処理ボードなどの追加により、MiLSSを介し、各カテゴリーに対応した10種の異なるパターンで光照射することが可能となり、実用性が増した。
3.数理モデル: 長周期構造をもつ新しいアイドリング状態が存在することを、神経回路の平均場理論を用いて示した。連想記憶モデルを拡張し、事象の順序情報の記憶を大幅に強化することに成功した。アイドリング状態に於いて樹状突起計算が果たす役割の解明に向け、新しい学習理論を構築した。
4.瞑想モデル: 積極的な脳アイドリングである瞑想の動物モデルを確立するためオペラント学習によりマウスに呼吸の速度を調節させるシステムを開発した。呼吸は密閉型チャンバーにより計測し、フィードバック刺激を用いる訓練を実施したところマウスの呼吸の速度の低下が見られた。

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-18H05213/18H05213_saitaku_gaiyo_ja.pdf
URL
https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-18H05213/18H05213_saitaku_shoken_ja.pdf
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18H05213
ID情報
  • 課題番号 : 18H05213
  • 体系的課題番号 : JP18H05213