共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

企業経営者に対する産業事故抑止インセンティブ付与方法の経済実験による検証

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
20H02402
体系的課題番号
JP20H02402
配分額
(総額)
17,420,000円
(直接経費)
13,400,000円
(間接経費)
4,020,000円

日本の産業現場での事故件数は、爆発・火災に限っても直近5年間で280件にのぼる。企業の安全対策実施を左右する経営層は安全に積極関与することを求められているが、彼らにその誘因を与える具体的な方法は明らかになっていない。そこで本研究は、経営者が安全対策の効果を事後的に検証できない点に着目して、統制された実験環境において経営者役の被験者に成果報酬を与える経済実験下の意思決定データから経営者の安全対策実施を促進する具体的な方法を探る。本研究の目的は、経営者の安全対策を促進するために、①安全対策の効果が事後的に検証できる環境(安全管理の基礎的事案)、②事前に費用対効果を示す環境(個別企業のミクロ的事案)、および③他社での事故発生情報が得られる環境(産業全体のマクロ的事案)の下での経営者の安全投資行動を被験者に成功報酬を与える経済実験により検証することである。
2020年度は下記の【経済実験1】に関して、実験インストラクション、被験者数、パラメータ値などの詳細設計を検討した。
【経済実験1】事故は①費用をかけて対策を実施しリスク低減することが可能な要因(コントロール可能なリスク)、もしくは②残留リスク要因のどちらかにより発生すると設定する。事故が発生した場合に、コントロール可能なリスク要因によって事故が発生したのか、あるいは残留リスク要因によって事故が発生したのかを経営者役に事後的に示す場合と示さない場合とで比較する。すなわち経営者役が「仮想的な」事後検証機会をもつか否かが対策実施に影響するかどうかを観察する。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20H02402
ID情報
  • 課題番号 : 20H02402
  • 体系的課題番号 : JP20H02402