2019年4月 - 2023年3月
mTert幹細胞に特異的な遺伝子の解析による幹細胞休止性と放射線抵抗性の理解
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
本研究は、消化管の上皮細胞を供給する源の細胞である消化管幹細胞を標的として、その周辺組織である微小環境を含めた組織全体の放射線応答動態を解明する研究である。消化管幹細胞には、恒常的に上皮細胞を産生する増殖性幹細胞と、増殖性細胞が失われた場合に、増殖性幹細胞を回復させるための休止期幹細胞があることが知られている。研究代表者らを含むこれまでの多くの研究から、高線量の放射線照射を行うと増殖性幹細胞が減少するが、休止期幹細胞などの動員により回復されることが示されてきた。しかしながら、現在までに、休止期幹細胞がどのように回復に寄与するか、機能的な放射線応答動態については明らかになっていない。そこで本研究は、マウス消化管幹細胞として知られているmTert陽性細胞の放射線応答を中心に組織レベルの放射線応答動態を理解することを目指している。
本年度は、mTert陽性細胞のみが蛍光タンパク質EGFPを発現する遺伝子組換えマウスより摘出した消化管幹細胞を含むクリプト組織を用いて、休止期幹細胞由来のオルガノイド形成能を試験する実験系を構築した。
また、休止期幹細胞において放射線のようなストレス応答が、どのような微小環境により誘発されるかを理解するために、低分子化合物ライブラリによる多サンプル同時評価スクリーニングの実験系を構築した。
さらに、組織に存在するごく少数の幹細胞におけるエピジェネティックな変化を検出するために、小スケールChIP-Seqによりゲノム上のメチル化状態を理解するための実験系を構築した。
本年度は、mTert陽性細胞のみが蛍光タンパク質EGFPを発現する遺伝子組換えマウスより摘出した消化管幹細胞を含むクリプト組織を用いて、休止期幹細胞由来のオルガノイド形成能を試験する実験系を構築した。
また、休止期幹細胞において放射線のようなストレス応答が、どのような微小環境により誘発されるかを理解するために、低分子化合物ライブラリによる多サンプル同時評価スクリーニングの実験系を構築した。
さらに、組織に存在するごく少数の幹細胞におけるエピジェネティックな変化を検出するために、小スケールChIP-Seqによりゲノム上のメチル化状態を理解するための実験系を構築した。
- ID情報
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- 課題番号 : 19H04274
- 体系的課題番号 : JP19H04274
この研究課題の成果一覧
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論文
1-
International Journal of Radiation Biology (in press) 1-100 2023年3月27日 査読有り筆頭著者責任著者