MISC

2017年7月

Rosai-Dorfman病に合併した続発緑内障に対し360.suture trabeculotomy変法が奏効した1例

眼科手術
  • 菊地 香澄
  • ,
  • 木嶋 理紀
  • ,
  • 新明 康弘
  • ,
  • 大口 剛司
  • ,
  • 陳 進輝
  • ,
  • 南場 研一
  • ,
  • 齋藤 航
  • ,
  • 石田 晋

30
3
開始ページ
514
終了ページ
517
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(公社)日本眼科手術学会

背景:Rosai-Dorfman病(RDD)は1969年にRosaiとDorfmanによって報告された非腫瘍性組織球増殖性疾患であり、無痛性の頸部リンパ節腫脹で発症することが多く、約半数に節外病変を生じる。節外病変としてぶどう膜炎の報告が17例あるが、その続発緑内障に対しtrabeculotomy(LOT)を施行した報告はない。今回、筆者らはRDDに合併したぶどう膜炎治療中に続発緑内障をきたし、半年以上眼圧の改善がみられなかった症例に対し、360.suture trabeculotomy変法(S-LOT)を施行し、良好な眼圧コントロールが得られた1例を経験したので報告する。症例:63歳、女性。ぶどう膜炎精査加療目的で近医より紹介。所見:両眼に汎ぶどう膜炎を認め、精査にても確定診断には至らなかった。ステロイドの内服と点眼、Tenon嚢下注射にて加療し、眼圧は正常範囲内で経過していた。初診から7年後に腎腫瘍・骨腫瘍を指摘され、生検の結果RDDと診断された。初診から10年後に両眼圧は右眼46mmHg、左眼32mmHgと上昇し、前房に炎症所見はなく、緑内障点眼やアセタゾラミドナトリウム内服にてもコントロール不良であったため、両眼にS-LOTを施行した。術後2年間にわたり、眼圧は右眼10〜16mmHg、左眼9〜13mmHgと良好であった。結論:RDDに合併したぶどう膜炎治療中に発症した続発緑内障に対し、S-LOTが有効である可能性が示唆された。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0914-6806
  • 医中誌Web ID : 2017392902

エクスポート
BibTeX RIS