希土類分離抽出錯体に対する蛍光法を用いた軟X線放射光吸収スペクトル測定
日本物理学会2022年秋季大会(物性)
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- 開催年月日
- 2022年9月
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 開催地
- 東京
- 国・地域
- 日本
放射光を用いた蛍光収量法により、筆頭者等が発見した新規希土類分離抽出錯体に対する窒素及び酸素の吸収スペクトルを測定した。この手法では分析深さが深いため、試料本来のスペクトルが得られる利点がある。ベンゼン環が3個結合した分子を基にしたフェナントロリン系分子(PTA)に対し、Pmを除く全希土類(La-Lu)を吸着させた錯体を試料とした。原子力機構SPring-8ビームラインBL23SUにおいて、窒素および酸素の1s吸収端付近(400-530eV)で放射光エネルギーを掃引しながら発光強度を測定した。PTAでは希土類がNd付近で希土類イオン(Ln$^{3+}$)の抽出能力が最大となるが、それに対応し、窒素の吸収スペクトルにおいて新たなピークあるいはピーク幅の変化が観測された。これは、Ln$^{3+}$が静電力のみで錯体に結合するのではなく、窒素との化学結合が重要であることを示唆する。講演では他の錯体系も含めた詳しい結果を報告する。