共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2022年3月

非平衡定常状態に対する極限定理

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究
  • 角田 謙吉

課題番号
18K13426
配分額
(総額)
4,160,000円
(直接経費)
3,200,000円
(間接経費)
960,000円

非平衡定常状態に関する研究は数学及び物理学における問題の中で依然として活発に研究されている。本研究では、流体力学極限と呼ばれる手法を用いて格子気体の非平衡定常状態に対する極限定理を数学的に解明すること、及び、その問題を通じて様々な確率模型に適用可能な解析手法を構築することである。今年度は境界で粒子の流出・流入を伴う排他過程に対する解析を行った。
境界で粒子の流出・流入を伴う排他過程に対応する流体力学的方程式は、領域の内部で非線形熱方程式を満たし、境界において粒子の流出・流入のレートから決まる境界条件を満たすものである。これより対応する定常状態はその流体力学的方程式の定常解に収束することが期待される。この結果は粒子系が単純排他過程に対しては、相関関数に対する具体的な計算により、既に得られていた。しかしながら領域内部の時間発展(流体力学的方程式)が非線形である場合には、一般には知られていなかった。本年度の研究実績として、粒子系に対するスケール極限と時間無限大の極限の順序交換に相当することを示し、それにより境界で粒子の流出・流入を伴う排他過程の定常状態が、流体力学的方程式の適切な定常解に収束することを示した。また本結果を論文としてまとめ、専門雑誌に投稿した。