2016年
X線CT計測による弥生時代前期出土米の脱粒性の評価
作物研究
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- 巻
- 61
- 号
- 0
- 開始ページ
- 27
- 終了ページ
- 31
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- DOI
- 10.18964/jcr.61.0_27
- 出版者・発行元
- 近畿作物・育種研究会
弥生時代前期(BC480±30)の包含層から出土した小穂(籾)と穂の一部を含む塊状の出土米(出土米ブロック)の放射光を用いたX線Computed Tomography(CT)計測をSPring-8において実施し,画素サイズ25μmの計測条件で得られた籾基部の微細構造の画像の解析から出土米ブロック内の籾について脱粒・非脱粒を判別できることを明らかにした.脱粒性の判定が可能であった籾に占める脱粒籾の割合は35%であった.脱粒部位が小穂軸基部の離層であったことから,弥生時代前期に使用されていたイネの脱粒性の程度が現代品種の脱粒性極易に相当する事例があったと推定することができた.そして,出土米ブロック内の脱粒または非脱粒と判断された籾は,それらの形態(長さと幅の比)から高脱粒性であるインディカ型ではなくジャポニカ型に分類された.さらに,小穂の成長において最後に決定される玄米の厚みを計測することで,脱粒または非脱粒籾の登熟程度を評価すれば,それらの収穫時期を推定できる可能性を示した.
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.18964/jcr.61.0_27
- ISSN : 1882-885X
- CiNii Articles ID : 130006900262
- CiNii Books ID : AA12344964
- identifiers.cinii_nr_id : 9000391687557