1997年 - 1999年
機能ゾーン間の神経連絡の分子機構の研究
文部科学省 科学研究費補助金(基盤研究(B)) 基盤研究(B)
1.主嗅覚系、私達は特定のゾーンの嗅細胞の軸索に特異的に発現する新規の細胞接着分子OCAMをみいだした。OCAMを発現した嗅細胞軸索は、主嗅球の腹外側ゾーンの糸球へと選択的に投射していた(ゾーン間遺択的神経連絡)。私達は、OCAM以外の細胞接着分子の中から嗅細胞軸索の特定のサプセットで発現する分子を探索し、BlG-2とNeuropilin-1の二種類の細胞接着分子を見い出した。これらの細胞接着分子の発現パターンの解析から、嗅球の糸球層における細胞接着分子によるマップ(CAMマップ)と匂い受容体表現マップとの間に正確な対応があることが明らかになった。2.副嗅覚系、OCAMは鋤鼻感覚上皮の二つのフェロモン受容体発現ゾーンの内、表層ゾーンの感覚細胞軸索に発現していたが、深層ゾーンの感覚細胞には発現していなかった。OCAMを発現した鋤鼻感覚細胞軸索は、副嗅球の吻側ゾーンへと選択的に投射していた(ゾーン間選択的神経連絡)。発達期の副嗅球では、吻側ゾーンの僧帽細胞はOCAMを発現しないが、尾側ゾーンの僧帽細胞はOCAMを発現していた。さらに、副嗅球には、いくつかの鋤鼻神経サブセット投射ドメイン(CAMドメイン)から構成されている「フェロモン受容体マップ」が存在することが示唆された。3.小脳、OCAMは胎生後期および生後初期の小脳では、Purkinje細胞のサブセットに発現し、OCAM陽性...
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- 課題番号 : 09480234
- 体系的課題番号 : JP09480234