間質性肺炎(IP)合併肺癌手術例における肺動脈圧評価による術後IP急性増悪予測の可能性につき検討した。2001-12年に術前画像上IPを認めた肺癌切除例53例を対象とし、CT上肺動脈径(PA径)、肺動脈径/大動脈径比(PA/Ao比)、また、術前心エコーを行った14例では、推定肺動脈圧による肺動脈圧評価を行った。術後急性増悪を認めたAE(+)群5例と、認めなかったAE(-)群48例に分けて比較検討した。術前CT上PA径、PA/Ao比は2群間で差を認めなかったが、IPなしの対照症例と比較しPA径、PA/Ao比ともIP合併例で有意に高値であり、また、急性増悪後のPA径の拡大、PA/Ao比の増加が示された。心エコーによる推定肺動脈圧はAE(+)群で有意に高値であった。IP合併肺癌におけるCT上PA径、PA/Ao比の継時的変化の評価、心エコーでの肺動脈圧評価による術後急性増悪予測の可能性が示された。(著者抄録)