MISC

2021年12月

若年女性における体脂肪率測定の有用性について

肥満研究
  • 宮元 章次
  • ,
  • 松永 智
  • ,
  • 室谷 健太

27
3
開始ページ
130
終了ページ
139
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(一社)日本肥満学会

本研究は、女子大学生を対象として高体脂肪率と身体的特徴、及び背景因子との関連性を検討した。被験者1,156名をBMIにより痩身、適正体重、肥満の3つの体型に分けて、それぞれを体脂肪率によりさらに2群に分類し、群間に差があるかどうかを検討した。また、高体脂肪率(体脂肪率34.0%以上)を目的変数としてロジスティックモデルによる回帰分析を行った。適正体重において、高体脂肪率群(低体脂肪率群)は、体重58.2±3.7kg(52.3±5.3kg;p<0.01)、及び体脂肪量21.1±3.2kg(14.0±2.9kg;p<0.01)であった。収縮期血圧(オッズ比1.046、95%信頼区間1.022〜1.071、p<0.01)、ALT(オッズ比1.049、95%信頼区間1.021〜1.079、p<0.001)、及びグルコース(オッズ比1.042、95%信頼区間1.009〜1.076、p<0.05)の3項目が有意であり、それぞれ高体脂肪率と関連する因子として抽出された。食事評価(オッズ比0.703、95%信頼区間0.531〜0.932、p<0.05)は有意であり、この値が高いと高体脂肪率になりにくい因子として抽出された。反復横跳び(オッズ比0.922、95%信頼区間0.873〜0.974、p<0.01)、垂直跳び(オッズ比0.962、95%信頼区間0.927〜0.998、p<0.05)、背筋力(オッズ比1.024、95%信頼区間1.009〜1.039、p<0.01)の3項目が有意であり、身体能力と高体脂肪率とが関連していた。若年女性において、体脂肪率が34%以上の集団で体脂肪量が体重増加に関連することが考えられた。若年女性における肥満を予防するためには、食事の改善や運動の実施と共に体脂肪率を把握することが有用であると示唆された。(著者抄録)

リンク情報
URL
https://search-tp.jamas.or.jp/index.php?module=Default&action=Link&pub_year=2021&ichushi_jid=J02963&link_issn=&doc_id=20211223120005&doc_link_id=%2Fdx4himan%2F2021%2F002703%2F007%2F0130-0139%26dl%3D0&url=https%3A%2F%2Fwww.medicalonline.jp%2Fjamas.php%3FGoodsID%3D%2Fdx4himan%2F2021%2F002703%2F007%2F0130-0139%26dl%3D0&type=MedicalOnline&icon=https%3A%2F%2Fjk04.jamas.or.jp%2Ficon%2F00004_2.gif
ID情報
  • ISSN : 1343-229X
  • 医中誌Web ID : 2022071947

エクスポート
BibTeX RIS