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2019年1月

低補体血症を合併し急激な経過をたどった顕微鏡的多発血管炎の1例

帝京医学雑誌
  • 成山 倫之
  • 子日 恒宏
  • 菊池 健太郎
  • 高井 敦子
  • 鈴木 伸明
  • 加藤 麻己
  • 下山 陽也
  • 高橋 美紀子
  • 北村 博司
  • 永山 嘉恭
  • 松井 克之
  • 原 眞純
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42
1
開始ページ
19
終了ページ
26
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
帝京大学医学部

症例は92歳男性。4ヵ月前から下腿に紫斑が出没し当院皮膚科で経過観察されていた。紫斑の拡大と下腿浮腫を生じ、採血で腎機能障害を認め入院となった。皮膚生検で白血球核破砕性血管炎を認め、myeloperoxidase-antineutrophil cytoplasmic antibody(MPO-ANCA)陽性で顕微鏡的多発血管炎と診断した。またC4:7.5mg/dL、CH50:9U/mLと低補体血症を認めた。ステロイド剤の投与を開始し、紫斑の縮小と腎機能の改善傾向を認めたが、第5病日に喘鳴を伴う呼吸困難が出現し人工呼吸器管理となった。ステロイドパルス治療を行ったが第9病日に血圧低下、第11病日に永眠された。病理解剖では半月体形成性腎炎が認められた。ANCA関連血管炎に低補体血症の合併は稀である。本症例の経験を通じ、ANCA関連血管炎の病態における補体の関与について文献的考察を加えて報告する。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0387-5547
  • 医中誌Web ID : 2019228706

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