国際放射線防護委員会による職業人の放射性核種摂取に関する刊行物の分析
日本原子力学会2022年春の年会
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- 開催年月日
- 2022年3月
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 開催地
- 神戸(online)
- 国・地域
- 日本
国内の放射線安全基準は、国際放射線防護委員会(ICRP)による1990年勧告の主旨を踏まえて制定されている。一方、ICRPは1990年勧告に置き換わる2007年勧告を公開しており、その主旨を反映した国内基準の改正に関する検討も進められている。そこで、ICRPの職業被ばくによる内部被ばく線量評価に関する刊行物であるOIR(Occupational Intakes of Radionuclides)シリーズ等を調査し、今後の内部被ばく防護のための基準値の改正で留意すべき課題などを整理した。ICRPは、2007年勧告に準拠する内部被ばく線量評価のプロセスとして、摂取した核種の放射能に実効線量係数(Sv/Bq)を乗じる手法を引き続き採用した。ただし、OIRシリーズでは、現在の安全基準で考慮されている半減期10分未満の核種に対する実効線量係数は提供されていない。また、OIRシリーズのサブマージョン核種に対する線量評価データは、国内の空気中濃度限度の算定で基礎としたデータとは異なる条件で計算されている。これらのICRPが線量係数を提供しない核種や被ばく状況については、国内で独自にデータ整備を進めること等が課題となる。